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これからの10年を見据え、新しい金融サービス業としてのビジネスモデルを構築します。

これからの10年を見据え、新しい金融サービス業としてのビジネスモデルを構築します。 りそなホールディングス取締役兼代表執行役社長 東 和浩

  • りそな総合研究所株式会社が発行する会員向け情報誌「りそなーれ」1月号からの転載です。

新体制に刷新し、グループの連結力を高める

―明けましておめでとうございます。まずは昨年1年を振り返っていただけますでしょうか?

 おめでとうございます。昨年の4月1日に前経営陣から引き継いで新しい体制になりました。刷新の狙いは若返りと、もう一つはガバナンスをシンプルにしてグループの連結力を高めること。りそなホールディングスの社長就任に際して、そのための三つの方針を掲げました。(1)りそなイズムの承継と深化、(2)新しい金融サービス業としてのビジネスモデルの構築、(3)グループ連結運営のさらなる進化です。

一つ目のりそなイズムというのは、亡くなられた細谷英二前会長の“細谷イズム”ですね。例えば、お客さまの何気ない一言を聞きもらさないようにして、そのニーズに合わせた新しいサービスをご提供する。要は、グループの社員一人ひとりが小さな気づきを積み重ねて、大きな改革へとつなげていくということです。

さらにもう一つは、そうした改革の継続です。お客さまのニーズは世の中の動きに応じて変わっていきます。だからとにかくお客さまに合わせてわれわれも変わっていかねばならない。そうした風土を組織に定着させるには不断の改革が必要なのです。

二つ目の金融サービス業のビジネスモデルというのは、銀行業をもう少し広く捉えて、ネットバンキングはもとより、お客さまがその時々で望まれるあらゆるニーズに応えていくこと。そのためには国内外を問わず、365日・24時間いつでもどこでもお応えできる体制づくりが欠かせません。また商業銀行、信託銀行、不動産業、コンサルティング、教育・研修等の機能を併せ持つ当社グループの強みを生かした商品・サービスを提供していくことも重要です。

三つ目の連結運営の強化に関しては、グループ全体で全国に600を超える実店舗を展開しているのですから、その力を十二分に生かしていく必要があるわけです。各店舗に集まってくるお客さまのニーズや情報をいかに統合・共有し、商品・サービスに反映していくのか。りそなグループの銀行は、どこへ行っても同じサービスが受けられるという共通認識をお客さまに持っていただかねばなりません。

「公的資金完済プラン」を策定し、海外サポート機能も強化

―公的資金完済へのロードマップについてお願いします。

公的資金完済プラン 概要

 昨春、公的資金の注入からまる10年が経ちました。それを機に新体制に変わり、これからの10年(Next Decade)を展望した新たなステージの第1歩を踏み出すにあたって、今後5年以内に公的資金を完済する確かな道筋をお示しすべく、公的資金の完済に向けた最終ステージとして「公的資金完済プラン」を策定したわけです。

狙いとしては、第1にお客さまや株主の皆さまに安心していただくため。次に当社グループの社員一人ひとりに、公的資金のことを頭から離して、新しい金融サービス業へ向けて邁進できるよう気持ちを切り替えてもらうためです。公的資金注入の歴史は絶対に忘れてはなりませんが、そろそろマインドリセットの時期だよという社員へのメッセージです。

実際、完済プランを見たお客さまから喜びの声と励ましの言葉を頂戴しています。社員にとっても、お客さまとの商談でいつも枕詞みたいになっていた公的資金返済の段取りがついたことで、仕事に取り組む姿勢がより前向きになってきていると感じています。

当社グループは、公的資金の重みと国民の皆さまによるご支援に対する感謝を忘れることなく、今後も改革を継続していきます。

―りそな銀行において国際事業部を設置したのも昨年のトピックスの一つだと思いますが、いかがでしょうか?

 海外サポート機能を強化するため、従来の国際業務室を国際事業部に格上げしました。背景には、生産拠点でのコストダウンや取引先の需要に応えていくため、中堅・中小企業の海外進出が増えていることがあります。特に成長著しいアジアでどう戦っていくかが非常に重要なテーマになっており、そうしたお客さまへ最適なソリューションを提供するための司令塔を設けたわけです。

具体的には、インドネシアで昨年創立55周年を迎えたりそなプルダニア銀行が現地に密着したフルバンキング機能を提供させていただいているほか、上海、香港、バンコク、シンガポールの4つの駐在員事務所を置き、タイのバンコク銀行、フィリピンのリサール商業銀行、マレーシアのパブリックバンクなど、アジア10ヵ国・地域にある地場銀行との業務提携ネットワークを拡大しています。また昨年5月にフィリピンの経済区庁(PEZA)とも提携しました。

顧客企業の皆さまに海外進出・投資案件の有無についてお尋ねしたところ、昨年上半期だけで7,000件ほどのニーズが集まりました。大半はアジアですが、メキシコの案件なども入っています。こうした情報をどのように業務に生かしていくかが、今年の課題の一つですね。

新しい金融サービス業へ新たなコミュニケーションブランド

―これも次の10年を見据えた取り組みだと思うのですが、新たにコミュニケーションブランドをつくりました。キャラクターの「りそにゃ」は今、流行のゆるキャラ戦略の一環なのでしょうか?

りそにゃ

お客さまの気持ちを代弁する猫
「りそにゃ」

 「りそにゃ」の顔をよく見てください。他の一般的なご当地キャラのようにかわいくもなければ愛嬌もないでしょう? 実は、彼はゆるキャラではないのです。「りそにゃ」=お客さまという設定で、猫の目はお客さまの目線なのです。だから「ただお金を出し入れするだけなら、銀行なんてタンスと同じ」とか、「いつも待たされるとおつき合いする気もなくなる」というような言い方をする。つまり、お客さまの不満や、やってほしいという気持ちが彼に仮託されているわけです。そして、スローガン「銀行の常識を変えよう。」は、お客さまの気持ちを踏まえて、われわれはこう変わりますという決意表明です。

―そのスローガンに基づいて銀行の常識をどう変えていくのでしょうか?

 りそな再生はもともと「銀行の常識を変える」ところからスタートしました。お客さまから寄せられるご意見やご要望にしっかりと耳を傾け、これまでの常識にとらわれず、一つひとつ改革を積み上げてきたのです。その一方で、金融サービス業としてのビジネスモデルのところでも触れましたが、お客さまのニーズは日々変化し、多様化しています。要は、われわれの仕事を金融サービス業としてもう一度再定義し、銀行の常識を打ち破る試みを次の10年も継続してチャレンジしていこうということなのです。例えば、スマートフォンやタブレットPCでの銀行取引が当たり前になってきていますし、決済業務にしても従来のクレジットカードの口座振替だけでなく、デビットカードのようなサービスもご提供していかねばなりません。また、住宅ローンをご利用になるお客さまは、人生設計の節目を迎えた方々ですから、単にローンのご提供だけではなく保険商品なども併せてご紹介するなど、「クロスセールス」と呼んでいる試みにも注力しています。

―グループ内には、信託や不動産サービスの部門もありますからね。

りそなホールディングス取締役兼代表執行役社長 東 和浩のインタビュー写真

 そうです。商業銀行、信託銀行、不動産業、これらをワンストップでご提供できる金融サービス業というのは、日本ではりそなグループしかありません。この強みを生かしてお客さまにとって銀行の常識を超えた付加価値の高いサービスをご提供していきたい。例えば、少子高齢社会において孫にお金を残したいとお悩みの高齢者の方には「資産承継信託」や「きょういく信託」がありますし、そうしたリテール向けの信託商品・サービス、あるいは、事業承継対策などの法人向けの信託ビジネスなど、お客さまのさまざまな悩みにお応えできる高付加価値の商品・サービスを開発し、全国の実店舗を軸にご提供していきたいですね。

―お客さまのライフステージの節目節目で、最適の商品・サービスを提供していく、と。

 就職したときの給与振込口座、住宅ローンを借りるときの口座、あるいは退職金の運用口座など、銀行と取引を始めるいくつかのポイント、タイミングごとにお客さまに対してどのような付加価値をご提供できるかを考えていかなくてはなりません。また、実はそのもっと手前の段階で子どもたちにりそなブランドを知っていただこうという取り組みが「りそなキッズマネーアカデミー」。CSR(企業の社会的責任)活動の一環として2005年8月にスタートし、昨年で9年目となりましたが、参加人数は全国で累積1万7,000人を超え 、第1回のアカデミーで小学6年生だった参加者はすでに成人しています。地道な活動ですが、子どものころから経済や金融の知識を育んでいただき、かつ、りそなファンを増やしていくという試みです。

CSR活動によって、社内外で交流を促す

―CSRに関していえば、一昨年に立ち上げた「Re:Heart倶楽部」の活動も活発なようですが。

 当社グループは設立以来、CSR活動に力を入れてきました。その目的は従業員一人ひとりが地域社会にあるさまざまな課題をいち早くキャッチする力を身につけ、その解決をとおして地域社会のお役に立つということ。ボランティアで地域マラソン大会やお祭りの交通整理やごみ処理などのお手伝い、あるいは植林をしてさらにその下草刈りなどの継続した活動ですね。東日本大震災で大きな被害を受けた東北地方の森林や海岸防災林を元の姿に戻すため、被災地植樹プロジェクト「りそなの絆」も開始しています。

CSR活動には思わぬ効果があります。銀行の支店における上司と部下の業務上のつながりというのは縦糸で、指揮命令系統による組織的なつながりです。一方、職場の仲間として横糸でつながっている部分、つまり仲間意識もあるわけです。CSR活動においては、社員同士が仕事中は決して見せないような顔を見せたりするわけです。例えば、普段は仏頂面で融資案件の審査をしている支店の長が、キッズマネーアカデミーの校長になって「皆さん、おはようございます」と破顔一笑、始終ニコニコしている。普段、見せない顔を見せたりすることで社員同士のコミュニケーションが非常によくなってくるのです。地域のお祭りのお手伝いをして、社員が同じ法被を着て仲間意識が高まっていくというような効果も高いということです。これからもCSR活動はどんどん推進していきます。

設備投資や事業承継を店舗ネットワークで全力サポート

―2014年の展望をお聞かせください。

 今年は景気回復が本格化してくると思われますし、そういう年にしなくてはいけません。アベノミクスの効果もあって、昨年から取引先企業の皆さまも気持ちが少しずつ前向きになってきています。経営者の方々と話しているとそろそろ設備投資を考え始めている気配をヒシヒシと感じます。資金調達を伴う設備投資が具体的に動き出さないと国内の本格的な景気回復にはつながりませんから、そういう意味では設備投資が本格化するかどうかが今年のポイントになるでしょう。ですので、取引先企業の皆さまには、設備更新の必要性の有無を真剣にお考えいただきたい。

―最後に、読者の皆さまへメッセージをお願いします。

セブンデイズプラザ うめきた店舗写真

りそな銀行の「セブンデイズプラザ うめきた」
(大阪市)は、年中無休「365日」19時まで営業

 事業の拡大や強化をお考えの際は、ぜひ当社グループへご相談ください。ご融資以外の案件でも、例えば次世代の育成や事業承継をお考えならりそな総研の主催する「りそなマネジメントスクール」やコンサルティングに基づく自社株承継信託などをとおしてお手伝いできますし、新たな販売先や調達先をお探しの際は、全国に600以上展開する当社グループの店舗網の情報ネットワークをフル活用して最適なソリューションをご提供いたします。また、365日休まず営業する店舗なども設け、いつでもどこでも気軽にご利用いただけるリテールバンキングの体制づくりも進めています。

本年も倍旧のご支援を賜りたくお願い申し上げます。