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銀行からハイブリッドな金融サービス業へ

銀行からハイブリッドな金融サービス業へ りそなホールディングス取締役兼代表執行役社長 東 和浩

  • 野村インベスター・リレーションズ株式会社が発行する情報誌「アイアールmagazine」2014summerからの転載です。

りそなホールディングスは、りそな銀行、埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行の3つの銀行からなる。グループ連結で、44兆円を超える総資産、約24兆円の信託財産、600近い国内の支店ネットワーク。約1,300万もの個人口座と約9万の法人顧客基盤を持つ日本最大の信託併営の銀行である(2014年3月末現在)。

2001年に設立され、2002年より現在の社名に。そしてその翌年、東日本旅客鉄道の副社長だった故・細谷英二氏を迎えて、りそなグループは大胆な改革のスタートを切った。以来、「りそなブランド」を確立し、また、新しい銀行のあり方を目指して、「銀行から金融サービス業への進化」に向けた、さまざまな取り組みを進めてきた。

10年後の2013年、その改革のバトンを受け継いだのが、東 和浩社長である。

次の10年、「りそな」の改革はどんな深化を遂げるだろうか。また、銀行はどんな新しい顔を見せるのだろう。

「銀行の常識を変えよう。」を新たなコミュニケーションスローガンに、さらなる改革の舵をとる、東社長に話を聞いた。

改革の承継と3つの方針

細谷前会長の改革を近くでご覧になり、感じられたことは何でしょうか?

 細谷前会長は、物腰は柔らかだけれども、妥協せずに筋を通す「一徹の人」。しかも、私心がなく、判断がストレートでした。組織のなかでは、角がとれて丸くなってしまう方針がほとんどなのですが、大きな判断には意外と荒削りな決断が必要だということを学びました。
当時、私は副社長として基本的に自由に意見を言わせてもらっていたのですが、細谷さんも大きな決断の時には私にも話をしなくなりましたね(笑)。相当難しい判断をされていたのだということが、自分が社長になってみるとよくわかります。

そして、社長ご就任から1年。手応えはいかがですか?

 就任の際、私は改革に向けて3つの方針を掲げました。「りそなイズムの承継と深化」「新しい金融サービス業としてのビジネスモデルの構築」、そして「グループ連結運営のさらなる進化」の3つです。すでに手応えを感じているものもあれば、まだ道半ばのものもあります。
特に「りそなイズム」というのは、細谷前会長が築いてきたものです。顧客ニーズへの日々の気づきと、それに合ったサービスの提供で大きな改革につなげていく姿勢。その舵取りを間近で見て感じた、銀行の常識を変えようとする「改革」への不断の努力を深めていかなくてはならないと考えています。

「新しい金融サービス業としてのビジネスモデル」とはどのようなものでしょうか?

 銀行という事業をもう少し広く捉えようということです。例えば「場」としては、地理的・空間的に金融サービスを拡充させていくこと。具体的には、ATMのネットワークをコンビニATMを含めて全国で約5万台に増やすなど、利便性の向上を図っています。「商品」では、信託機能を持つ強みを活かし、事業承継に対応した中小企業オーナー向けの商品、教育資金贈与信託のような信託商品や特定状態保障特約付住宅ローン「団信革命」のような個人向けの商品と、さまざまな新サービスの提供に注力します。
また、「時間」という切り口から、365日・24時間いつでも、どこからでもアクセスできるよう、ネットと店舗を融合させるオムニチャネル※への展開にも取り組んでいます。お客さまとの接点を増やしてサービスを広げていく流通の手法を取り入れた「新しい金融サービス業」です。

  • 実店舗やネットなど、どんな販売チャネルからでも、いつでもどこでも同じく商品の購入が可能な仕組み。顧客とのあらゆる(オムニ)接点を最適化する、小売りの新しいあり方として注目されている

3つ目の方針「グループ連結運営の進化」についても教えてください。

公的資金完済プラン 概要

りそな銀行「セブンデイズプラザうめきた」
365日・年中無休で夜7時まで営業している

 りそなグループの各銀行の強みは異なり、守備エリアも違います。しかし、情報の共有、連携の強化を図ることで、よりよいサービスを展開できます。例えば、関西のお客さまが首都圏でどう展開できるか、各銀行が持つ情報や機能を連携させることで、グループとして提供できる課題解決力は広がります。お客さまにいかに付加価値を感じてもらうかという点で、グループとしての強みをもっと発揮していかなくてはなりません。連携の強化に向けては、さまざまな観点から、グループ600店のネットワークをいかに活用するかという議論を進めています。

決意表明。5年以内に公的資金は完済

改革とともに、2013年に「公的資金完済プラン」を公表されました。

 公的資金の注入から丸10年が経った時に計画を公表しました。これからの10年を展望し、新たなステージの第一歩として、5年以内に公的資金を完済するという「公的資金完済プラン」を策定したのです。 公的資金は、完済した時に「返した」と言えばいいのですが、お客さまや株主の皆さま、同時に社員への強いメッセージも込めて、いわば決意表明をしました。そろそろ公的資金から頭を切り替え、新しい金融サービス業へ向けて邁進しようと。 公的資金の残高は、ピーク時の3兆1,280億円から3,240億円まで減少しています(2014年6月末時点)。完済プランは着実に進捗しています。

ハイブリッドな金融サービス業

東社長が率いる「りそな」。その強みは何でしょうか?

公的資金完済プラン 概要

 りそなグループの特徴は、メガバンクに匹敵する営業基盤を持ちながら、貸出の8割以上が個人や中小企業向けの「リテールバンク」であること。また、商業銀行業務と信託銀行業務、不動産業務の3つを柱に持ち、トータルで課題解決を提供できるという点。ハイブリッドな銀行であり、同じような銀行は日本にほかにはないのです。この特性と機能をさらに強化し、銀行の常識を超えたサービスを提供していきたいと考えています。
りそなグループの強みは、まさにこのユニークなビジネスモデルにあります。そして、首都圏と関西圏という2大都市圏でのシェアの構築、個人と中小企業向け貸出への特化に戦略の焦点を合わせています。

特に中小企業向け融資は、今後もグループをあげて強化していきます。ビジネスマッチングを進めて資金需要を喚起するとともに、銀行本来の役割である貸出を通じた信用リスクも積極的にとり、財務面に課題が残るものの成長余力のある企業には、本部法人部門と営業店が一体となって支援します。成長可能性を重視した新規融資に取り組んでいます。
また、中堅・中小企業のお客さまにとって、アジア進出は非常に重要なテーマであり、海外展開をサポートすることも重要な業務です。具体的に、海外拠点では、インドネシアで「りそなプルダニア銀行」が現地に密着したフルバンキング機能を提供しているほか、上海、香港、バンコック、シンガポールの4つの駐在員事務所が、アジア10カ国・地域にある提携地場銀行と連携し、お客さまの現地での活動をサポートしています。また、2014年秋には、ベトナムのホーチミンに駐在員事務所を開設する予定です。

超高齢社会のニーズに応える資産承継ビジネス

「リテール×信託」という独自性を活かした展開について、さらに教えていただけますか?

公的資金完済プラン 概要

 先に述べましたように、りそなグループの顧客基盤は個人や中小企業です。そして、世帯当たりの貯蓄額が多い50代以上の年齢層に一定の基盤を持っています。そうしたお客さまに向けて、「相続や事業承継」「不動産仲介」「遺言信託」といったフルラインでの信託機能を活かして、適切なサービスを展開することができるのです。
特に、超高齢社会を迎え、事業承継や資産承継に向けたサービスは非常にニーズが高くなっています。中小企業ではオーナーの高齢化が進み、すでに60代以上が半数を超えています。中小企業のオーナーが円滑な事業の承継を行うために、りそなグループは自社株承継信託をはじめ、事業後継者育成など、トータルなサポートを提案しています。

同じように、個人の資産承継に関するニーズも高くなっています。相続に関する市場では、今後10年間で500兆円(累計)もの資産が次世代に移転するとも試算されています。2013年に販売を始めた教育資金贈与信託りそなの「きょういく信託」は、1年足らずで約1万件、受託金額は約600億円となりました。これらは信託機能を持つりそなグループならではの、時代のニーズに合ったサービスだと考えます。

サービス改革のフロントランナーとして

最後に、東社長の目指す銀行の姿を教えてください。

公的資金完済プラン 概要

 「金融サービス業」という一言に尽きます。お金を貸したり、預かったりという受け身の姿勢から、サービス業として積極的に提案していくビジネスモデルへの進化です。もはや、我々の競合は銀行だけではありません。流通・小売業界が、金融機能を提供し始めているわけですから、より高度な金融サービスを提供しながら、新分野に参入していきたいと考えています。
サービス業として社会に必要とされる存在になる。その一点にこだわり、今後もさまざまな可能性に挑戦し「銀行の常識を変える」改革をさらに推進していきます。

りそにゃVS社長

「ワタシ、お客さま目線、なんですが」の巻

公的資金完済プラン 概要

名前/りそにゃ(♂) 誕生日/2月22日
お客さま目線でモノ申す、ちょっと変わったネコ。
知的で常に冷静に見えるが、おっちょこちょいな
ところもあり意外と涙もろかったりもする、らしい。

りそにゃ そもそも「りそな」という名前、どういう意味なんでしょう?

東社長 Resonaはラテン語で、「共鳴する、響きわたる」という意味の言葉です。お客さまの声に耳を傾け、共鳴する。打てば響くような関係……それが「りそな」というわけです。

りそにゃ なるほど。では、りそなのライバルって何ですか?

東社長 東社長 よく「コンビニは銀行をできるけど、銀行はコンビニをできない」なんて言われます。けれども、我々は真似のできない金融サービスを提供し、あらゆるサービス業からの差別化を目指しています。社員には、銀行と信託と不動産、その3つを標準装備するように、と言っています。付加価値とは、実は社員そのものですからね。

りそにゃ 便利さも必要ですね?

東社長 サービス業の基本ですね。りそな銀行、埼玉りそな銀行では、午後3時までだったお店の窓口の営業時間を5時まで延長しています。大阪梅田には365日・夜7時まで営業しているセブンデイズプラザを作り、その後「あべのハルカス」や埼玉大宮にもオープンさせました。また、全国82カ所ある住宅ローンプラザのうち71カ所は土曜・日曜営業に対応しています。 (2014年6月末時点)

りそにゃ 新しく始めたものはありますか?

東社長 目玉のひとつは、Webを使ったサービス「マイゲート」の導入です。インターネットバンキングに情報提供機能をあわせたような、コミュニケーションサービスを目指しています。お客さま一人ひとりの利用状況から、その人にピッタリ合う情報を提案していきます。もちろん、内容によって店頭で対応すべきもの、ネットで対応するものを分ける必要もありますが、「いつでもどこでも」を旗印に、顧客との接点を最大化するサービス展開を視野に入れ、さまざまな利便性で差別化を考えています。

東社長 そういえば、気づいたんですが、りそにゃにはヒゲがないですね?

りそにゃ 思うに、これからは差別化が必要です。ネコにも。

  • 「りそな」のイメージをより明確にし、訴求力を高める「コミュニケーションブランド」。その象徴、コミュニケーションキャラクターが「りそにゃ」です。