スマートフォン用ページはこちら

【<お知らせ>「振込手数料割引サービス」の不具合解消について】 

公的資金を完済した後の次なる10年に向け、未来を形にする新しい金融サービスで、「リテール・ナンバーワン」を目指して邁進します

公的資金を完済した後の次なる10年に向け、未来を形にする新しい金融サービスで、「リテール・ナンバーワン」を目指して邁進します。 りそなホールディングス取締役兼代表執行役社長・りそな銀行代表取締役社長 東 和浩

  • りそな総合研究所株式会社が発行する会員向け情報誌「りそなーれ」2016年1月号からの転載です。

公的資金を完済し、新しい金融サービスのスタートラインへ

― 新年おめでとうございます。まず、昨年を振り返っていただけますか。

 おめでとうございます。やはり最大のハイライトは、公的資金を完済したことでしょう。2003年(平成15)の注入から12年余り。昨年6月にピーク残高3兆1280億円(注入額ベース)あった公的資金の返済を終えました。多くのお客さまから本当によかった、と喜びの声を頂戴しました。本誌読者の皆さまをはじめ、国民の皆さま、お取引先の皆さま、株主の皆さまの長きにわたる多大なご支援、ご協力に、心より御礼申し上げます。

― 恩返しは何か考えているのですか。

 「サービス」を通じてお返ししていきたいと考えています。「お客さまの喜びがりそなの喜び」という基本姿勢を崩すことなく、あくまでもお客さまの立場に立ってサービスの価値・利便性の向上を追求し、未来を形にする新しい金融サービスをお客さまにご提供していくということです。
例えば、「りそなクラブ.com」というポイントモールの運営をクレディセゾンと業務提携し、昨年11月からサービスを開始しました。このサービスは、クレジットカードなどの決済口座をりそなグループ各銀行に指定した上で「りそなクラブ.com」を経由してインターネットでショッピングすると、その利用額に応じて「クラブポイント」が貯まる邦銀初のサービスです。このポイントを貯めることで、nanacoやT-pointなど、パートナー企業のポイントに交換ができたり、手数料等の優遇を受けることができます。
こうした他の銀行にないサービスをどんどん実現していきたいと考えています。公的資金を完済して肩の荷が下りたというよりは、ようやく次のステージへのスタートラインに立てたというところでしょうか。

新サービスのアイデアが続々、オムニチャネル化へ店舗改革

― 公的資金返済後のりそなに対するお客さまの期待は大きいでしょうね。

 13年4月に私が社長に就任した直後、公的資金を5年で返済するプランを発表したのですが、実は、社員に向けては「完済してからのことを今から考えよう」と口を酸っぱくして言い続けていたのです。「どうすればお客さまの期待に応えられるか、そのニーズを掘り出すことができるか」と。結果として、「オムニチャネル構想」における多くの取り組みが具体化してきました。
昨年4月からスタートした、りそなグループ銀行間振り込み「24時間365日即時決済サービス」もその一つ。ATMおよびマイゲート(個人用インターネットバンキング)を利用したグループ銀行間の振り込みが平日15時以降、土・日・祝日でも当日お取り扱いができるようになりました。大手銀行では初めての取り組みで、法人向けのサービスも10月から開始しました。「リテール・ナンバーワン」を目指す中で、このような新しいサービスをどんどん導入していかなければなりませんし、お客さまのニーズを先取りするチャネル整備も欠かせません。

― 取引「時間」の常識への挑戦ですね。

 オムニチャネル構想を考えるときにポイントになるのは、銀行の取引時間帯にお客さまに合わせていただくのではなくて、お客さまが取引をしたいときに「いつでも・どこでも」最適な商品・サービスをご提供できるということです。その実現のために、例えば平日の日中に銀行窓口を利用することが難しい個人のお客さまが、会社帰りや休日のお買い物ついでに気軽にお立ち寄りいただけるように、年中無休で毎日19時まで営業する店舗「セブンデイズプラザ」を全国で展開しています。

― 確かに、サラリーマンの方は住宅ローンなどの手続きが土日にできると便利でしょうね。

 そうですね。休みの日にゆったりとご相談をしていただいた方が、住宅ローンの借り換えをきっかけとした保険の見直しなど、ライフプランに合わせた資産運用のアドバイスにつなげることができます。
また、昨年6月から住宅ローンの休日審査を始めており、不動産業者の方々にはメリットを感じていただいています。今年度中に住宅ローンの実行も365日可能となり、より一層利便性が高まることになると思います。

個人向け資産運用ビジネスを強化、ベトナムに駐在員事務所開設

― 政府の「貯蓄から投資」への促進等により投資への関心が高まっている中、りそなアセットマネジメントの業務がスタートしたのもトピックスの一つですね。

 りそな銀行は信託銀行として、約50年にわたり年金運用の分野を中心に資産運用ビジネスを展開してきました。これまで培ってきたノウハウを活用した商品をりそなアセットマネジメント株式会社からご提供できると考えています。「貯蓄から投資へ」という運用ニーズの高まりが期待される中で、投資信託市場の成長をビジネスチャンスと捉え、プロ向けの運用力をグループのネットワークを通じてリテール分野に提供することで、個人のお客さま向けの資産運用ビジネスを強化していく方針です。
具体的には、お客さまの投資目的・方針に合わせて提案から運用までをトータルでサポートするファンドラップ向け商品や、ラップ型投信などの組成を検討しており、グループの幅広いお客さまへご提供していきたいと考えています。

― 新たな海外展開として、ベトナムにホーチミン駐在員事務所を開設されたようですが、そちらの状況は?

 当社グループの取引先企業の皆さまが、すでに700社以上ベトナムに進出しています。今後も同国の経済成長余力、チャイナプラスワンの動き、良質な労働力等を背景に製造業だけでなくサービス業の新規進出が続くと見込まれます。そこで、お客さまのベトナム進出支援や情報のご提供、あるいは既進出取引先企業のサポート体制を強化すべく、昨年3月末にホーチミン駐在員事務所を開設しました。日系中小企業の日本人駐在員の中には進出当初、右も左も分からず、現地でのコミュニケーションにも不自由するという方も少なくありません。会社設立や工場用地に関する情報提供等、ビジネスに係るサポートのみならず、食生活に困らないよう日本食レストランや宿泊施設をご紹介したり、物価の相場や買い物の仕方などきめ細かくサポートしています。
ホーチミン駐在員事務所の開設で、りそなグループの駐在員事務所は5拠点となり、提携銀行ネットワークを合わせると、ASEANの主要加盟国すべてをカバーすることができました。

公的資金完済プラン 概要

「りそな未来財団」を設立、“りそにゃ”は「ゆるキャラグランプリ」へ

― CSR(企業の社会的責任)活動にも、変わらず積極的に取り組んでおられるようですね。

 公的資金の完済を機に、改めてりそなグループとして社会に感謝の気持ちをお示ししたいと、去年の11月に一般財団法人りそな未来財団を設立し、新たな社会貢献活動「りそな次世代応援プロジェクト」を開始しました。経済的な支援を必要とする子どもたちのために奨学金制度を設けたり、シングルマザーのキャリアアップサポートなどを行う予定です。

―「りそなキッズマネーアカデミー」の活動は、自治体や企業等とのコラボレーション企画が増えていると聞いています。

 ええ、子どもたちに金融経済知識だけでなくさまざまな体験をしてもらおうと自治体や地域企業等と一緒に企画しており、最近は警察署に「振り込め詐欺」対策をテーマに授業を行ってもらいました。警察官が地域の自治会などの会合で巧妙化する詐欺の手口の話をしても、なかなか耳を貸してくれない高齢者の方もいるようで、「それでもお孫さんのいうことなら聞いてくれるはず」ということです。05年にスタートした子ども向けの金融経済教育「りそなキッズマネーアカデミー」は、昨年で丸10年。参加した子どもたちの数は2万5000人を超え、そろそろアカデミーの卒業生が当社グループへ入社してくるのではないかと期待しています。

― ところで、りそなグループのコミュニケーションキャラクター“りそにゃ”が「ゆるキャラグランプリ」へ出場しました。りそなグループを知ってもらう良い機会になったのではないでしょうか?

りそなグループの海外ネットワーク

りそなグループの
コミュニケーションキャラクター
“りそにゃ”

 “りそにゃ”が13年に登場したときは、「ゆるキャラ」ではないというのがグループ内での共通認識でした。ところが、“りそにゃ”にフレンドリーな親しみを感じたお客さまから、「ゆるキャラ」として認知していただいたのです。イベントなどでキャラクターグッズを配布すると、大勢の親子連れが列をなすようになりました。「ゆるキャラグランプリ」を通じて、より多くの方に当社を知っていただけたのではないかと感じています。
また、昨年11月には「第1回さいたま国際マラソン」への協賛も行いました。来年のリオデジャネイロオリンピックの女子マラソンの代表選考レースとしてTVで全国中継されて、当社グループのブランド力を高める効果もあったのではないかと思います。

年中無休の店舗を拡充、「スマート社員」制度も導入

― それでは、16年の事業戦略について。まず、新型店舗の紹介と今後の店舗展開をお願いします。

 昨年11月、東京江東区にオープンしたりそな銀行豊洲支店は、原則年中無休の「セブンデイズプラザ」として土日や祝日もさまざまなご相談ができるとともに、「オムニチャネル構想」の具現化に向けた戦略的な店舗です。具体的にはタブレット端末を活用し、紙への記入をなくすことで手続き時間を短縮、その時間を利用してゆっくりとご相談いただけるようになりました。口座の新規開設についても印鑑なしでお手続きが可能です。また、リモート対応によるコンサルティング機能を有しており、本社の高度なコンサルティング機能をご提供しています。
他にも、貸金庫にキャッシュカードだけで入室が可能であるなど、お客さまの利便性を高めるさまざまな新しい機能を有している店舗といえます。こうした新しい試みが機能しているかどうかを検証しつつ、既存店舗のサービスを順次、新型店舗へと拡充していく計画です。

ソーシャル・ネットワーキング・サービス

昨年11月中旬にオープンした公的資金完済後初の新規支店となるりそな銀行豊洲支店(東京都江東区)。 原則年中無休の店舗「セブンデイズプラザ」を現在、りそな銀行5店舗(東京2・横浜1・大阪2)、埼玉りそな銀行3店舗、近畿大阪銀行1店舗(「うめだプラザnanoka」)展開している

― 次に、人事部門で今春から導入予定の「スマート社員」制度は、どのような取り組みになるのでしょうか。

 「スマート社員」とは、原則として残業をしない正社員のこと。この新しい制度の基本にあるのはワーク・ライフ・バランスの考え方で、目的は希望に応じて育児や介護など個人の事情に応じた働き方ができるようにすることにあります。
「スマート社員」は、通常の正社員と比べて賞与が7割程度となるものの、基本給や業務内容、昇進についての区別は一切ありません。当社グループ従業員の約6割が女性ですから、女性の活躍を促進する観点からも重要だと考えています。

「リテール・ナンバーワン」を目指して、グループ一丸

― 「リテール・ナンバーワン」となるための施策についてはいかがでしょうか。

 ナンバーワンになるには、お客さまの多様なニーズにワンストップで対応できる金融サービスをご提供していかなければなりません。そのためには、「いつでも」「どこでも」をキーワードとした24時間365日サービスへの挑戦など、新しい発想とそれを育む土壌が欠かせません。しかし、銀行というのは法律にしばられてどうしても組織が固まりがち。それでは新しい発想は生まれてきません。だから銀行という枠組みからいったん離れて、これまでの常識にとらわれないアプローチ、言い換えればまだ誰もやったことのないようなことにチャレンジしないと道は開けません。
先に挙げた「スマート社員」導入は、組織に多様性を育むためのチャレンジングな施策ですし、またオムニチャネル化のアプローチで、GPSやソーシャルメディアを活用してお客さまのニーズを先取りするサービスも考えられます。先陣を切って道なき道を進まなければ「リテール・ナンバーワン」など夢のまた夢でしょう。

― 最後に、読者の皆さまへメッセージをお願いいたします。

 公的資金完済後の次なる10年を見据えて、りそなグループの新たな指針として、「想いをつなぐ、未来を形に。」というブランドスローガンを制定しました。そこには、〈お客さまをはじめとするすべてのステークホルダーの想いをつなぎ、お客さまの幸せな未来を創る、また、これまでの常識にとらわれない新しい金融サービスの形を創っていく〉という決意が込められています。その決意を胸に、新たな気持ちで「リテール・ナンバーワン」を目指し、グループ一丸となって邁進してまいります。
本年も、りそなグループへ旧倍のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。