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「常識の先を行く差別化戦略で、お客さま目線の多様な商品・サービスを提供するオムニバンクとしてリテールNo.1を目指します

りそなーれ2017年1月新春特別企画 りそなホールディングス兼りそな銀行社長に聞く りそなホールディングス取締役兼代表執行役社長・りそな銀行代表取締役社長兼代表取締役社長 東 和浩

  • りそな総合研究所株式会社が発行する会員向け情報誌「りそなーれ」2017年1月号からの転載です。

日本経済が回復軌道に乗るまでマイナス金利を耐え抜く責任

―明けましておめでとうございます。さて昨年、金融機関に関連した事柄では、マイナス金利の問題が大きかったと思います。まず、この点について考えをお聞かせください。

 おめでとうございます。マイナス金利は確かに大きな問題ですが、これについては日本経済に対する影響と、銀行に対する影響と二つに分けて考える必要があります。

―具体的にはどういうことでしょう。

 日銀は、このマイナス金利政策で日本経済に刺激を与え、景気を上向かせることを目指しています。ただ、効果はなかなか出づらく、もう少し時間がかかるというのも事実です。 では、われわれのような銀行にとってはどうか。実は、それまでもゼロ金利が続いていたことを考えると、それほど大きくは変わっていないのです。 ただ、この政策が実を結ぶにはまだ時間がかかるため、しばらく低金利が続くことになります。そうした環境下で銀行は、利ざやが取りづらくなるため経済的な効果が出るまで、ものすごく足を踏ん張って頑張っていかなければならない。やはり、そこが大変だと思っています。
マイナス金利以外にも、アメリカの大統領選でトランプ氏が当選したり、中国経済も先行きが不透明だったり、お隣の韓国でも政治的混乱が続いています。そういう意味では、グローバルな環境も少し厳しいですよね。

―国際的な環境も踏まえて、この低金利の時代を耐えうる力を蓄えておくということですか。

 そうですね。銀行の業績が悪化すると、端的に日本経済に悪い影響を与えます。だから銀行は、マイナス金利下でも、きちんと体力を保っていく必要があるのです。そのためには、銀行自身がビジネスモデルを変えていかなくてはならない時代が来ていると思います。

オムニチャネル化で、フェース・トゥ・フェースのサービスを強化

―ビジネスモデルを変える、というのは具体的にはどのような方向なのでしょう。

 例えばフィンテックとか、われわれの経営方針でいえばオムニチャネル。Webなどの技術を活用してサービス提供のやり方を変えると同時に、「いつでもどこでも」お客さまが求めるときに、求めるサービスを提供するビジネスモデルをつくっていく必要があるということです。
フィンテックというテクノロジーはとても重要なのですが、あえてわれわれがオムニチャネルといっているのには、大きな意味があります。オムニチャネルとは、店舗もインターネットバンキングも含めて、お客さまとの接点を有機的につなげていこうという取り組みのこと。つまり、りそなグループでは、リアルの店舗についてもかなり重要視しているわけです。
フィンテックはどちらかというとWeb系の話になりますが、実はお客さまはそれだけでは絶対満足されません。例えば住宅ローンなどのご融資、ご相続などのケースでは、やはり実店舗に行って、銀行員の顔を見ながら話したいというニーズは必ずあるはずなのです。
だからこそ、われわれは生産性を上げなくてはならない。印鑑レス化や待ち時間ゼロ運動を進めることで、お客さまが手続きなど「面倒くさいこと」に割く時間をいかに縮小してさしあげるか。そうやって生み出した時間でフェース・トゥ・フェースのサービスをすることが、りそなグループに求められているのだと思います。

モデル店舗で試行錯誤を繰り返し、よりお客さまに近いサービスを創造

―東京の豊洲支店や大阪の枚方支店などの新しいスタイルの店舗は、そうした新しいビジネスモデルの一環ということですか。

りそなグループの海外ネットワーク

昨年3月中旬に開設された「セブンデイズプラザひらかた」を紹介するりそなグループのコミュニケーションキャラクター“りそにゃ”。 関西圏における年中無休店舗は4拠点目。読書のできる書斎風の待合室が特徴で、個性的な店舗で他行との差別化を目指す。

 そのとおりです。豊洲支店は、機械化を進め、少人数で運営するモデル店舗として開設しました。その成果を高円寺や早稲田の支店リニューアルに生かしながら、現場のお客さまに合わなかった点は、その都度改善を続けています。
枚方支店は、ロケーションに関する実験店で、商業ビルの7階に開設しました。この店は、エスカレーターを上がっていくといつの間にか支店に入っているようなつくりになっていて、「構えず気軽に入れる店」がコンセプトです。
どちらかというと、フィンテック的な実験を豊洲でやり、枚方ではリアルチャネル、つまりお客さまが入りやすい実店舗をつくるにはどうすればいいかを試しているわけです。

―お客さまの反応は、いかがですか。

 お陰さまで好評です。豊洲も枚方も、土日・祝日も夜7時まで営業しているご相談窓口「セブンデイズプラザ」を併設していますが、実際に午後5時以降と土日に来店されるお客さまはかなり多い。
しかも、土日・祝日といった休日に来ていただいた場合、お客さまも心理的にリラックスされています。そのうえで、手続きそのものにかかる時間を短縮できれば、保険や退職金の運用、相続など、ローン以外のご相談をいただける時間が増えるわけです。

信託業務の経験を生かし、資産の安定運用をサポート

―そういった信託関係の商品が豊富だというのも、りそなグループの強みの一つです。

 そうですね。りそな銀行では、iDeco(イデコ、個人型確定拠出年金)の加入対象が拡張されることに伴い、運営管理機関手数料を今年1月から2年間ゼロにします。この税制上有利な商品なども、そのメリットとデメリットをお客さまにきちんと伝えていく必要があります。
このiDecoは、預貯金や投資信託からお客さま一人ひとりが組み合わせを選ぶことができる仕組みになっています。そこで、われわれのアセットマネジメントについてのノウハウが生きてくる。われわれが長年運用してきた年金は、高いリターンだけを求める投資と違い、安定的な収益を上げて将来に備えるもの。iDecoでもそういう知識をお客さまにご提供し、ご満足いただけるサービスにつなげたいと考えています。

―資産形成をサポートするための新しいサービスが今年から始まるそうですね。

 はい。「ファンドラップ」の発売に向けて、今りそなアセットマネジメントで準備中です。この、分散して投資し、長期で包括的に資産運用をサポートするサービスは、安定してコツコツ資産を増やしていくニーズに向いています。他の金融機関でも扱っていますが、りそな独自の、お客さまの特性に合った商品をどう設計するか、今知恵を絞っているところです。

海外提携銀行にスタッフを派遣し、日本語での対応力を強化する

―お客さまの海外展開へのサポートという面では、いかがですか。

 昨年11月にはシンガポールに行き、提携しているUOB(United Overseas Bank)のトップとお会いしました。やはり、単に提携したというだけではダメで、きちんと会って話をすることが大事だと考えています。日本と現地では商習慣も違うし、業務のスピードも違います。そこを、「りそなのお客さまだから、しっかりやってほしい」とトップが伝えることで、対応が変わってくるのです。
昨年は、インド、ベトナム、アメリカにも行っています。

―海外事業も拡充・強化していくと。

 そうですね。提携銀行を増やしていくことが第1ですが、われわれの主なお取引先である中堅・中小企業の皆さまにとっては、現地の銀行の窓口で日本語対応ができるかどうかが結構重要です。りそなグループでは、インドネシアのりそなプルダニア銀行のほか、上海、香港、バンコック、シンガポール、ホーチミンという5カ国・地域に駐在員事務所を設置しています。これ以外に、東南アジアとアメリカに提携銀行がありますが、そこに当社のスタッフを派遣し始めました。つまり、日本人を送って、日本から進出するお客さまに対して、痒いところに手が届くサービスをしたいと考えたからです。

―海外でも、頼りになるりそなグループというわけですね。

 はい。われわれの拠点は少ないですが、それをカバーして余りある数の現地銀行と提携しています。なおかつ日本人を送り込んでいて、さまざまなご要望に日本語でお応えできる態勢が整っているのです。
さらに国内においても、昨年9月に開設した「ビジネスプラザおおさか」(大阪市中央区)では、りそなグループの海外駐在員や専門家にTV会議システムを通じて、お客さまが直接相談していただける新たなサービスをご提供しています。

りそなグループの海外ネットワーク

りそなグループの海外ネットワーク

「持続可能な社会」をつくるため、多彩な活動を展開

―「りそなキッズマネーアカデミー」など、長年力を入れてきたCSR活動についてお話をいただけますか。

 キッズマネーアカデミーの卒業生は、昨年の段階で約2万8000人。実施している店舗数も、年々増えています。かつては参加者を集めるのに苦労していたのに、最近では、募集人数を上回るケースも増えています。
キッズマネーアカデミーの目的は、子どもたちにお金に関する知識や銀行の社会的役割などを分かりやすく説明し、健全な金銭感覚を身につけてもらうこと。とにかく、これまでの日本人は、金融や投資など、お金についての教育をほとんど受けていなかったのです。だから、お金を運用することそのものが悪いことのように思われている。
未来を担う子どもたちの金融リテラシーを上げることは、日本の未来にとっても大きな意味があると思います。

―そのほかには?

 もう一つ、昨年の活動で重要なのは「りそな未来財団」です。この財団は、経済的な支援を必要とする子どもたち、働くシングルマザーのサポート等を目的としたもので、その活動の一つが「りそな未来奨学金」。一人親または両親のいない世帯で、学資の支払いに困っている高校生に給付する奨学金で、2015年度は37名の生徒に提供を始めました。
今年は、もう少し規模を拡大していきたいと考えています。

お客さまの気持ちになりきり、ビジネスモデル改革を推進

―最後に、今年のりそなグループの方向性について、教えてください。

 「リテールNo.1の新しい金融サービス」を創り出すという目標は変わっていません。ただ、マイナス金利など、銀行にとって非常に厳しい環境なのは間違いない。その中で、どういうふうにビジネスモデルを変えていくかを考えると、これまで述べてきたようなお客さま目線のサービスをご提供し、お客さまに付加価値を感じていただいて、それを収益につなげていくことが必要になります。
もう一つは、やはりフィンテックというテクノロジーの分野で、お客さまに手間をかけないよう、手続きをデジタル化して効率化していくこと。ご自宅でできることはインターネットバンキングで対応し、店舗でも生産性を上げるためのオペレーション改革をさらに進めていくつもりです。
具体的にいえば昨年、それまで毎週1回行っていたシステムのメンテナンスを月1回に減らしたり、ICキャッシュカードの磁気ストライプのデータが壊れても、ICチップのデータを使って修復できるようにするなど、結構地味な改革を進めてきました。

―お客さまの目には見えない部分でも、常に少しずつサービスは改革されているというわけですね。

 そのとおりです。ただ、そういう改革を続けていっても、ビジネスモデルを変える、というのは容易なことではありません。なぜなら、その前提となるべきお客さまのニーズを知ることそのものが、とても難しいことだからです。
お客さまご自身が、お金についてどんな悩みがあるのか具体的に把握していらっしゃらない場合もあります。だとすれば、われわれはお客さまからお話をうかがうだけでなく、お客さまの気持ちになりきるしかありません。
フィンテックなどの技術でオペレーション改革を進め、生まれた時間でお客さまのニーズを体感できるようにする。そうすることで初めて、ビジネスモデル改革の糸口が見えてくると確信しています。
われわれは今年も、「お客さまの喜びがりそなの喜び」という基本姿勢を崩すことなく、リテールNo.1を目指して、お客さま目線の改革を進めます。本年もより一層のお引き立てを賜りますよう、お願い申し上げます。