
お客さまの課題
・約30拠点にて紙運用による非効率な事務処理が多く、業務負荷が大きい状態であった。
・請求書の処理手続は各拠点で処理を行う必要があった。
・各拠点で受領する多くの紙の請求書を手作業で処理し、振込に必要な書類のみを別途本部に郵送しており、手間がかかっていた。
・仕訳業務では紙で起票した伝票を会計ソフトに手入力しており、非効率な業務フローとなっていた。
導入したもの
Bill One
効果
・証憑書類をBill Oneに集約したことにより、各拠点での請求書受領から支払いまでの処理の迅速化を実現。
・会計ソフトとの連携により、起票から仕訳計上までの業務を一気通貫で行えるようになり、仕訳業務の効率化を実現。
・Bill Oneで証憑を一元管理することにより、監査対応にかかる工数削減を実現。
貴院の事業内容について教えてください
社会医療法人生長会は1955年の設立以降、「患者第一主義」という考え方を重視し、地域のみなさまの安心できる暮らしの一助となることを目指し続けている社会医療法人です。病院を中核に予防から急性期医療・専門医療・在宅医療・福祉など、赤ちゃんからお年寄りまでみなさまの「トータル・ヘルスケア」体制を構築しています。
Bill One導入前のバックオフィスの課題について教えてください
約30拠点で年間を通して約1万2,000件もの請求書を紙で受領しており、各拠点内で振込データや仕訳処理などはすべて手作業で行い、支払に関する承認を得ていました。
その後は各拠点で支払が必要な書類のみが本部に郵送され、財務部に集約されます。そしてその集まった内容の承認手続きをアナログな形式で実施しておりました。
また改正電子帳簿保存法への対応時期とも重なっており、既存のシステムでも対応していたが、紙や電子データなど異なる形式の請求書をそれぞれ要件に合わせて保管することの運用負担が大きく、証憑管理の面においても課題を感じていました。
システムを導入しようと思ったきっかけを教えてください
組織として2025年度の事業計画において、重点項目として「業務効率化とDXの推進」を掲げていました。2022年から全社的にDXを推進していく計画を進めており、従来の紙での手続や印鑑を用いた承認フローなどの業務効率化に取り組むこととしました。
様々なシステムがある中で「Bill One」に決めたのはなぜですか?
最大の決め手はBill Oneが複数テナントの管理機能を有していることでした。他のサービスでは約30拠点それぞれにおいて個別の契約が必要であり、それらを本部で一元的に管理できることがシステム導入における非常に重要なポイントと考えておりました。システム選定時には実際に経理処理を行うメンバーも巻き込み、現場の意見や画面動作を確認したうえで、Bill One導入を決めました。
BilI One 導入時の苦労について教えてください
実務担当者毎のITリテラシーのばらつきには苦慮しました。これはBill Oneだからという訳ではなく、システム導入そのものに対する心理的ハードルがあるメンバーがいると感じました。一方で、業務負担が軽減できるという目的や効果も明確であり、導入に対する現場の理解はあったのかなと思います。現場任せにせず、導入に向けた不明点の解消や操作方法含めた質問の取りまとめ、対応を本部が中心となって主導できたこともうまくいった要因だと思います。またSansan社とりそなデジタルハブ社のダブルサポート体制も心強かったです。導入当初から、どのように安定稼働させるかについて具体的なアドバイスをもらえたのはありがたかったです。
現在Bill Oneを導入して実感している変化を教えてください
一番変化を実感しているのは、経理処理にかかる時間の削減です。今までは各拠点に届く多くの請求書の開封作業やデータ打ち込みなどのアナログ作業のほとんどが不要となりました。また、Bill Oneで請求書が一元管理出来ているので、振込エラー等の突発的な事象にも円滑に対応できるようになりました。加えて、監査対応においてもBill Oneで管理できているものは、URLの共有のみで確認できるようになりました。全般的に検索がスムーズになり、請求書を探す手間が減ったことや、迅速な開示対応もできるといったペーパーレス化が実現できたので大変助かっています。

社員の“DX”に対する意識の変化について教えてください
「DXの推進」という大きなトレンドの中で、当法人も対応していく必要があると理解してはいますが、実際にDX推進の担当者になると、やはり負担に感じてしまう方は一定数いました。それでも、今まで手作業で実施していた業務がBill Oneの導入により効率化され、”DX”の効果を実感しているのではないかなと感じています。
今後の展望について教えてください
請求書業務のペーパーレス化だけでなく、業務フロー全体の”見える化”やBCP(事業継続計画)の強化にもつなげたいと考えています。
たとえば、災害や停電などで拠点が使えなくなったときも、クラウド上にあるBill Oneにアクセスできれば業務を止めなくて済みます。これは医療福祉の現場にとって非常に大きな意味を持ちます。
また昨今の”人手不足”で初任給をはじめとした人件費が高騰しており、採用活動も難しい環境です。そのため”DX”を推進し、人的リソースの効率化を進め、組織全体の生産性向上を目指したいです。
バックオフィスのDX化を進めている企業へのメッセージ
DXの推進においては組織全体を巻き込んで進めていくことが重要です。私たちはBill One導入を決定する前に現場の担当者に参加してもらい、現場の声を集約したうえで導入の最終決定を行いました。
本部の独断で導入したシステムでは、利用者の賛同を得られず、場合によっては紙の方が楽だったとなると、なかなか全体のDXが進みません。現場との連携があり、みんなが納得して導入し、初めて成果が出るものだと考えています。
りそなデジタルハブから一言
社会医療法人生長会さまのように「業務の効率化とDXの推進」を掲げて実現させるためには、本部など一部のメンバーだけで進めるのではなく、検討の段階から現場で活用するメンバーを交えて協議することが重要であると改めて感じました。
今後、業務フローの見える化やBCPの強化も検討されているとのことなので、引き続き“ありたい姿”の実現に向けてご支援させていただきます。
取材日:2025年6月23日
※記載の部署名は、取材時の名称です。