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株式会社りそなホールディングス 取締役会議長 池 史彦の写真
取締役会議長メッセージ

変化点にある
ホールディングスの
取締役会

取締役会議長 池 史彦

取締役会議長に就任して1年

取締役会議長に就任してからの1年は、あっという間に過ぎていったという印象があります。就任にあたって、真っ先に課題として認識したことは、「ホールディングスの取締役会とはどうあるべきか」ということでした。 議長に就任が決まった直後に、社外取締役全員に集まっていただき、「りそなホールディングスの取締役会のあるべき姿」についてディスカッションさせていただきました。多様な経験をお持ちの皆さんと議論してわかったのは、持株会社の在り方として明確な解は無いということでした。当社にとっては、公的資金が入ったいわゆるりそなショック以降、公的資金完済が最大のテーマであり、その実行のためにりそな銀行を中心とした今日のガバナンス体制が、現実解として形成されてきたと理解しています。公的資金完済後8年が過ぎ、資本の蓄積も進んできたことで、りそなグループは今、新たな一歩を踏み出す局面に来たと思います。そうしたなかで、全体を俯瞰的に捉え、ホールディングスとしての役割・機能をさらに発揮するようにしてほしいと思いますし、今回の中期経営計画(以下、中計)にはその色合いが濃く出ていると思います。その変化点に焦点を当てたことが、1年間を通じての最大のテーマ、すなわち新たな中計策定にあたっての議論であったと思います。

議長として心がけたこと

やはり、建設的・本質的な議論ができる場・雰囲気づくりが議長の役目だと思いますので、ファシリテーションするうえでは常にそれを意識しています。当社の社外取締役の方々は経験が豊かで見識に富まれているので、議長が強いて振り向ける必要もなく、自発的に建設的な意見をたくさんいただいていますので、自分としては本質的な議論が中途半端な状態で終わらないよう、タイムマネジメントも気にかけながら、論点をまとめるよう心がけているつもりです。

取締役会での議論の状況

一番の議論は、パーパスの策定と新中計として新たな一歩を進めていくための変革についてでした。執行側とは素案の段階からフリーディスカッションを活用して、法定議案の審議以上に時間をかけて建設的な議論を重ねました。最終決議にいたるまでに途中経過の報告も複数回あり、濃密な議論ができたという印象があります。 長期的な視点や戦略的な議論は充実してきたと思いますが、経営環境や社会構造など様々なものが大きく変化していますので、新たにスタートした中計が実効的に運営されているか、継続的にモニタリングしていく必要があります。当面は、これが取締役会の実効性につながる最大の課題・テーマであると考えています。 コロナ禍を機に、非対面や非接触といったデジタルな面が一気に加速し、人々の行動、経済・社会構造も大きく変容しています。日々の業務においては、時代の変化を受けとめ、危機感を持って取り組んでいただいていると思いますが、銀行に身を置いている方の中には、心のどこかに銀行そのものが無くなるようなことはない、という意識があるのかもしれません。現実的には、デジタルの力を通じて新たなプレーヤーが続々と参入し始めていることなどを鑑みるに、いつまでも現状の姿が続くという保証はありません。今後の成長戦略に関する議論を深めていくために、生活者としての視点から、世の中の大きな変化の波を感じながら警鐘を鳴らすことも、取締役会としての大事な機能だと思っています。

ホールディングスとしての議論を深めていくために

ホールディングスの役割は、グループに横串を通し、グループ全体としての方向感を持って事業運営を進めるために大きな戦略を立てることにあります。グループの強みである、傘下の銀行がそれぞれの地域特性に応じた事業運営を進める一方で、グループ全体として明確な方向性を定めて、変革の時代の中で改革を進めていくリーダーシップをとるのがホールディングスの果たす役割であると思っています。執行側の意識も変わりつつありますが、社外取締役としてはこうした論点がしっかりと根づいているかをモニタリングし、必要であれば指摘をしていくということが、グループ一体運営の実効性を上げていくうえで、取締役会の果たす大きな役割であると思います。 今回ホールディングスにグループCXO制を導入したことは、これまでのホールディングスとりそな銀行との一体運営から、目線を一段上げて、グループ全体運営に目を届かせていくという意味で、大きな進歩だと評価しています。

議長として心がけていきたいこと

当社としては、初めて社外取締役が議長に就任しました。議長として議場をファシリテートする上で心がけることの一つとして、情報の非対称という制約がある中で、やみくもに執行側に意見・要望を出すだけが取締役会の役割ではないので、執行側の足を引っ張るような要望や議論に向かわないよう誘導することがあります。取締役会を通じて社外取締役に十分な理解が得られる説明の場とすることも、取締役会の実効性を上げるうえで大事なことです。議長が社外取締役に変わったがために、日々の執行の足を引っ張るようなことがあってはならないと思っています。指名委員会等設置会社の取締役会としては、業務執行はお任せし、モニタリングボードに徹するべきだと思います。そのうえで、執行状況を監督するうえで心がけるべきことは、有事に備えてブレーキを踏むだけではなく、パーパスとして「金融+(プラス)」を掲げた以上、変革の時代の中で、リスクを取ってでも金融の垣根を越えて飛び出す場面に直面した時に、しっかりと背中を押すことも取締役会の大きな役割であると思っています。そのためには、これまで以上に本質的・建設的な議論が取締役会の席上で行われるよう導くのが議長としての使命と心得ています。 りそなの歴史において、公的資金完済は大きな成功体験であり、偉業だったと思いますが、偉業を成し遂げた一方で、様々な制約の中でチャレンジできなかった部分もあったかと思います。公的資金を完済するまでは、じっと耐えて我慢する、という体質が染みついた部分もあるかと察します。公的資金を返済して大分時間も経過していますが、染みついた体質を無意識のうちに、今も引きずっているのではないかと感じることもあります。執行側は日々非常に真面目に取り組んでおられます。一方で環境が大きく変化しているなか、金融の枠を飛び出していくことを新中計では掲げていますが、施策に大胆さが欠けている印象を受けなくもないです。今後、取締役会での議論を通じて、大胆な変革の方向性と具体的な施策を模索できれば良いなと考えています。

最後に

議長の責任というのは、取締役会の実効性を上げることを通じ、究極的には企業価値を上げることにつなげることだと思います。議長は代表して執行側にもの申せる立場にありますので、株主、市場関係者の方々だけでなく、様々なステークホルダーの方々から、当社への期待、抱える課題に対する懸念など忌憚なくお聞かせいただければ、それが取締役会の実効性を上げることにつながり、ひいては企業価値向上に通ずるものと信じていますので、今後ともご支援、ご協力賜れば幸いです。

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