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左側 報酬委員会委員長馬場 千晴、中央 指名委員会委員長 岩田 喜美枝、右側 監査委員会委員長 指名委員会委員 山内 雅喜の写真
社外取締役座談会

りそなならではの、
3委員会、
そして
取締役会の運営とは

報酬委員会委員長
馬場 千晴
指名委員会委員長
岩田 喜美枝
監査委員会委員長
指名委員会委員
山内 雅喜
  • 左 :報酬委員会委員長 馬場 千晴
  • 中央:指名委員会委員長 岩田 喜美枝
  • 右 :監査委員会委員長 指名委員会委員 山内 雅喜

馬場取締役:報酬委員会委員長就任にあたって

報酬委員会の活動状況をお聞かせください。

馬場

報酬委員会ではこの1年、岩田前委員長のもと、当社の報酬制度改定に関する議論を続けてきました。今回の見直しは、中期経営計画(以下、中計)の策定と軌を一にした、3年ぶりの抜本的な改定になります。内容は非常に多岐にわたりますが、私が大事だと思うことは次の2点です。1点目は、グループ一体運営という視点を加えたことです。2点目は、サステナビリティ経営への要請を受けて、役員報酬の評価項目にサステナビリティ経営に関する項目を追加したことです。 企業自身の業務が非常に多様化し、お客さまのニーズも多様化するなかで、グループを挙げて対応していく必要があるという認識と、関西みらいフィナンシャルグループ(KMFG)の完全子会社化を受けて銀行子会社間の一体運営という意識をしっかり植え付けていくことが改定の背景にあり、連結ベースの実績が報酬制度のなかで大きなウェイトを占めるようにしています。その意味で、まさに今回の報酬制度の見直しは、中計で策定した事業戦略をしっかりと共有し、インセンティブとして制度的に定着させていく手立てとして実施したものです。

どのようなところが一番議論になりましたか。

岩田

グループ一体運営の視点については、従来はりそなホールディングスとりそな銀行と埼玉りそな銀行の3社の報酬制度は同じものでした。一方で、KMFGとその傘下の銀行の報酬制度は2021年4月にKMFGが完全子会社化されたものの、これまで異なるものでした。今回の改定では、これまでの歴史や経緯も踏まえながら、グループ一体運営を念頭に、あるべき報酬制度に関する議論を重ねていきました。 サステナビリティの要素を報酬制度に盛り込むことについても、評価する指標を何にするのか、外部評価を用いるかなど、何回も議論を重ねて内容を詰めていきました。

報酬委員長としての抱負をお聞かせください。

馬場

馬場委員長写真 報酬制度改定の趣旨の浸透と制度の定着、その上で評価体系として適正に運営していくということが当面の大きな課題だと考えています。 一方、金融機関を取り巻く経営環境は変化が継続し、事業戦略あるいは体制など、様々な見直しが検討されていくであろうと想定しています。事業戦略と報酬制度は表裏の関係にあるものと考えており、事業戦略を実行していくにあたって、経営の方向感を制度として具現化していくことが報酬制度の目的だと思いますので、できるだけ前広に制度や評価のあり方の妥当性について、議論を進めていけたらと考えています。 また、報酬制度改定の成果がうまくいっているのか、PDCAサイクルを念頭におきながらモニタリングしていく必要があると考えています。

岩田取締役:指名委員会委員長就任にあたって

指名委員会の活動状況をお聞かせください。

岩田

岩田委員長写真 私は社外取締役として他社の指名委員会や指名諮問委員会の経験がありますが、当社指名委員会の大きな特徴は、経営陣の育成や評価に非常に深くかかわっているということ。これがまず、就任して一番驚いたことです。土日も含め、非常に多くの時間を割いていますが、今の経営陣の評価や、次の経営陣をどうするのかを考えるベースとして、毎年、多数の役員と面談を行っており、これが指名委員会の非常に大きな仕事といえます。また、面談だけでなく、役員の研修にも参加して受講者と議論するといったことも従来から行っています。

取締役会の今後について、スキルマトリックスの議論は、どのように進めていますか。

岩田

具体的な人選の前に、スキルマトリックスを毎年見直しています。このままで良いのか、どこを強化すべきかなどの議論をしており、様々な意見が出ています。 取締役会は限られた人数ですから、どの分野からもというわけにはいかないので、取締役レベルで揃える必要があるバックグラウンドは何かを議論しています。

指名委員長としての抱負をお聞かせください。

岩田

指名委員会の一番重要な仕事は、CEOのサクセッションです。私の理想としては、新しいCEOが就任した際に、早い段階で次の候補者をリストアップし、指名委員会がこうした候補を中心に育成、評価を継続して、毎年候補者リストの見直しを行っていくなかで、退任する前年には一人に絞り込むという流れを想定しています。CEOのサクセッションの実効性をさらに高めていくために、こうした流れを改めて整備して、評価・育成していくことを指名委員会のルーティンにしていきたいと考えています。

山内取締役:監査委員会委員長就任にあたって

監査委員会の活動状況をお聞かせください。

山内

山内委員長写真 社外取締役に就任してから1年経ったばかりですが、当社の監査委員会は非常にきめ細かく、抑えるところを抑えながら運営されているという印象を持っています。 これを支えているのは、事務局のしっかりとした運営だと思います。執行側には内部監査部門、ホールディングスの監査委員会、グループ各社にも監査等委員会などがありますが、これらが連携しながら必要な情報共有、アジェンダの設定がなされている点が大きいといえます。 そのなかにおける監査委員会の役割は、健全な経営を維持するという観点から、抑えるべきリスクをきちんと抑えているか、取るべきリスクを取りにいっているか、この2つを監督することにありますが、この1年はどちらかと言えばリスクを抑える方が中心になっていた印象です。 また、事業そのものの健全性の監督という意味では、監査の範囲にとどまらず、事業のあり方なども含めてより幅広く事業や現場を理解していくことが重要ですが、監査委員会においてそれぞれの部門責任者から毎月報告を受けることで、そこに潜んでいるリスクや問題がないかを確認することにつながっています。監査委員会が現場と遊離しないような形で運営されている点が非常に心強いと感じています。

リスクを取っていくとありましたが、どのような議論が必要だと考えますか。

山内

今回の中計は、りそなの歴史のなかで大きなターニングポイントになっていると認識しています。公的資金の完済後、体力を蓄えてきましたが、基盤を強化するだけではなく、次なる成長の基盤をつくる。いよいよ打って出るタイミングに来ていると感じています。 積極的に取りにいくリスクに対し、何を確認して何を抑えていくのかを監査委員会としてしっかり監督することで、戦略を後押しし、より推進できるような委員会のあり方が必要ではないかと考えています。

今後、様々なリスクが出てくるかと思いますが、ご自身で心がけていることはありますか。

山内

当社は「金融+」を掲げていますが、金融だけでは完結しない世界になってきており、あらゆる産業で起きていることにアンテナを張っておくことが必要ですし、情報を共有する努力をしなければならないと思います。りそなは金融業の枠組みの中に収まらないという認識を前提に取り組んでいくことが必要ですが、当社はそれができる力を有していると感じていますので、その力を活かしていく委員会でありたいと考えています。

中期経営計画、パーパスの策定について

中期経営計画やパーパスなど新しい方向性が打ち出されましたが、取締役会ではどのような議論が行われましたか。

馬場

事業環境の変化が激しく、かつスピードが加速しているなかで、際だって重要な中計を策定することができたのではないかと思います。最も議論があった論点は3点です。1点目はパーパスの策定です。細谷改革以来、大事にしてきた経営理念との間で位置付けを整理できたことは今後の企業運営上、非常に大きなことだったと思います。2点目は、人財、資本の観点から事業戦略に対応した経営資源の配賦について明確な議論ができたことです。そして3点目は、グループ一体運営について、改めて経営体制、ガバナンス体制の観点から整理を行ったことです。

岩田

今回の中計は、価値創造力の強化と、それを実現するための経営基盤の次世代化という2本柱の、非常に分かりやすい構造になっています。経営基盤の次世代化の大きな軸の一つが人財戦略で、これについては回を重ねて議論しました。今回の中計の位置づけは、りそなが新しいステージに進むということだと思います。再生から正常化への段階を終え、蓄積した資本をどのように成長のために使うのか、その一部をどのように株主に還元していくのかについては、中計に明示されています。社員に対してしっかりと報いていくことも掲げてほしいと、ことあるごとに申し上げてきましたので、今回はその思いを結実することができました。

山内

中計の議論は、基本の考え方を設計する段階から様々な意見を取り入れながら組み上げられてきたと思います。これからの課題は、取締役会として計画が遂行できているかをしっかりとモニタリングしより高いレベルで実現していくか、そして、環境変化も当然起こり得ることから、変化に応じて変えていくべきものは変えていくという積極的な姿勢を取締役会として貫いていけるかだと感じています。

どのような貢献、役割発揮をしていくのか

馬場

りそなグループにとって、自らのビジネスモデルの有効性を示していくこと自体が、非常にチャレンジングなミッションだと思います。そのようなグループの一員としてチャレンジに関与できていることを誇りに思います。事業環境の大きな変化の中にありますが、こうした足元の変化は過去に起きた変化に通じる部分があります。様々な意思決定において、金融業界出身としての知見をできる限り共有しながら自分自身の考えを示していきたいと考えています。さらに、金融業界を知る立場から良きトランスレーターとして社外の問題意識と執行側の問題意識との橋渡しに務めていきたいと考えています。

岩田

企業経営の経験のなかで人事やサステナビリティ領域が中心だったこともあり、これらの分野で貢献してきたと自負していますし、これからも貢献していきたいと思います。企業経営のなかで非財務分野の位置付けが変化してきた結果、今では成長戦略の中心となっています。りそなはこの分野のトップランナーですが、これに安住していては他社の勢いに埋没してしまいますから、常に高みを目指してほしいと思います。どのように財務価値と非財務価値が一体となって企業価値を上げていくかについて、これまでの知見を活かして貢献していきたいと考えています。

山内

りそなグループはメガバンクでも地銀でもない、非常にユニークな存在ですし、ユニークな存在であるがゆえに他にはできないことができる潜在能力を持っています。中計が新たなステージに進んでいくことで、今後のりそなには非常に楽しみな部分が出てきていると期待しています。私は、これまでのリテールに関する経験を活かして、お客さま目線、あるいは個人ユーザー目線に立って何が必要か、どうしていくべきかを発言していきたいと考えています。

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