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事業等のリスク

当社及び当グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社及び当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりです。

これらのリスクは必ずしも全てを網羅したものではありません。また、リスクは独立して発生するとは限らず、あるリスクの発生が他のリスクの発生につながり、様々なリスクを増大させる可能性があります。

当社は、リスクが顕在化する可能性の程度や時期、リスクが顕在化した場合に当社及び当グループの経営成績等に与える影響の内容を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努めてまいります。

なお、記載事項のうち将来に関するものは、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

(1)新型コロナウイルス感染拡大による影響

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、日本を含む世界各国において人々の移動制限や企業活動の制限・自粛などが続いております。ワクチンの接種拡大等収束に向け様々な取組が進んでおりますが、社会全体が安定を取り戻し、経済活動がコロナ前の水準に回復するまでには時間を要する可能性が高く、新型コロナウイルスによる影響は当面長期かつ広範に継続することが懸念されます。

当グループは、お客さまならびに従業員とその家族の健康・安全を最優先に新型コロナウイルスの感染拡大防止に取り組むとともに、お客さまの資金決済や事業資金のご支援など金融サービスの提供に引き続き迅速に対応してまいります。また、新型コロナウイルス感染拡大がもたらすお客さまのこまりごとや社会課題の変化に対応し、適切なソリューションを提供してまいります。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響として、以下のとおり様々なリスクを想定しております。

与信費用の増加

  • 生活様式の変化や企業活動の制約を背景とした取引先の業況悪化

保有有価証券の評価損益悪化

  • 財政拡張に伴う長期金利の急上昇
  • 企業業績の長期低迷による株価下落
  • 原油価格下落等を起因とした金融市場混乱拡大

外貨資金調達の不安定化

  • 感染急拡大等による金融市場の再混乱

サイバー攻撃増加

  • オンライン取引増加、テレワークの拡大等

従業員間の感染拡大や一部地域への移動制限による業務停止

経済活動の縮小・取引延期等による収益減少

(2)当社のトップリスクとビジネス戦略

当社及び当グループは、当社及び当グループに重大な影響を及ぼす可能性の高いリスクをトップリスクとして認識し、トップリスクをリスク管理の起点とした一貫性のあるリスク管理体制を整備しております。

トップリスクは、経営会議、取締役会等での議論を踏まえて決定され、トップリスク管理を通じて、当社及び当グループ内のリスク認識を共有化し、リスクガバナンスの強化、重大なリスクの発生防止、リスクが発生した場合の早期対応・影響拡大の抑制等に努めております。

有価証券報告書提出日現在、以下をトップリスクとして選定しております。

トップリスク リスクシナリオ
競争環境(社会構造・産業構造)の変化 急速な技術革新等に伴う社会構造・産業構造の変容、競争の前提条件の変化による戦略投資効果剥落、戦略実現に必要な人財の不足
規制・法令・制度の制改定や政策の変更 各種法令・規制・会計制度の導入・変更や金融緩和政策の長期化による収益構造の変化、収益性の低下
与信費用の増加 新型コロナウイルス感染拡大やコロナ関連施策効果の剥落等による大口与信先や与信集中業種、連関するサプライチェーン上の与信先の業況悪化
保有有価証券の評価損益悪化 経済の減速、金融市場の混乱や地政学リスクの発現(株価下落・金利上昇等)による有価証券評価損益悪化
外貨資金調達の不安定化 金融市場の混乱や地政学リスクの発現、想定外の資金流出、市場流動性低下等よる外貨資金調達コスト増加や資金繰り悪化
システム系の重大インシデント発生によるサービス停止等 サードパーティーを含めた、サイバー攻撃やシステム障害による決済機能等のサービス停止、お客さま情報流出
法令違反・コンプライアンス違反による業務停止等
  • マネー・ローンダリングやテロ資金供与対策の不備等によるコルレス契約解除、課徴金発生
  • 社会規範を逸脱した行為に伴う評判悪化
自然災害の発生による業務停止等 大規模地震、風水害やパンデミックにより人命が危険に晒される、ないしは業務停止

ビジネス戦略

当社及び当グループでは「リテールNo.1」のサービスグループを目指し、「資産・事業承継ビジネス」、「資産形成サポートビジネス」、「中小企業貸出・国際ビジネス」、「個人向けローンビジネス」、「決済ビジネス」等への取組を強化することで、長期安定的な収益基盤の構築を目指しております。

また、国債を中心とした円建債券、外国通貨建債券及び投資信託等への投資運用業務を行っております。

トップリスクとビジネス戦略の関係は下図のとおりです。

トップリスクとビジネス戦略の関係

(3)トップリスクとトップリスク以外の重要なリスク

当社及び当グループのトップリスクとトップリスク以外の重要なリスクは以下のとおりです。

トップリスク(当社及び当グループに重大な影響を及ぼす可能性の高いリスク)

競争環境(社会構造・産業構造)の変化
~ビジネス戦略全般に影響を及ぼすリスク~

近年、金融業界の規制緩和やデジタルトランスフォーメーションを見据えた金融イノベーションの進展、金融機関の統合・再編・業務提携等により事業環境は厳しさを増しております。

今後、競争が激化し、当グループが競争に十分対応することが出来ない場合には、貸出増強が進まない、リスクに見合った貸出金利鞘が確保できない、手数料収入が期待通りに得られない等、当グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

これらに対応するため、当グループでは、既存ビジネスの深掘と”脱・銀行”へ向けた挑戦を行い、様々なビジネス戦略のもとリスクテイクを行っております。新規ビジネスへの挑戦などにより、新たなリスクテイクを行う場合には、経営陣による十分な議論を行うほか、リスクチェック制度により、内在リスクを洗出し、リスク特性に応じた管理体制の構築を図っております。

人財に関するリスク

当グループは、銀行業務を中心に高度な専門性を必要とする業務を行っておりますが、デジタル化やIT化への対応、お客さまへの高度なソリューションの提供等のため、従来以上に高度な専門性と遵法意識を持った人財を確保する必要があります。

こういった人財が確保できない場合や人財の一斉流出等が発生した場合、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

人財確保等のため、当社及び当グループでは、採用活動や人財育成策の充実、ダイバーシティによるキャリア多様化、テレワークやサテライトオフィスの導入、デジタル化による業務効率化、男性の育児休暇、介護休暇取得の促進等を進めております。

規制・法令・制度の制改定や政策の変更
~ビジネス戦略全般に影響を及ぼすリスク~

当グループは、現時点の規制・制度に則って業務を遂行しております。したがって、今後予定されている自己資本規制の強化、会計基準の変更、様々な金融規制改革の適用や政府の方針、実務慣行及び解釈に係る変更等のうち、当グループのコントロールが及ばない事態が発生した場合には、当グループの業務運営や業績、財務状況、自己資本比率に悪影響を及ぼす可能性があります。

自己資本規制の強化に関して、2023年より国際統一基準行に対しバーゼル3最終化の適用開始が予定されております。当グループは国内基準行であり、国内基準行に対する本邦での適用開始時期等は未定ですが、当グループの自己資本比率が低下する可能性があります。

ルール化の状況や影響については自己資本管理部署が中心となって経営陣に報告を行い、経営陣の関与のもと適切に対応する体制となっております。

会計基準の変更に関して、現在、当グループの会計基準は日本基準を採用しておりますが、将来のIFRSの適用に備え、影響度の調査や課題の洗出等の取組みを実施しております。適用時期については未定でありますが、適用時には、当グループの業務運営や業績、財務状況、自己資本比率に悪影響を及ぼす可能性があります。

影響度や課題については財務部門が中心となって経営陣に報告を行い、経営陣の関与のもと適切に対応する体制となっております。

2021年末以降のLIBOR公表停止に関して、当グループではLIBORを参照する貸出取引等の規模は大きくありませんが、システム開発等に伴う費用の増加、ヘッジ会計の取扱変更等により、当グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当グループではグループ横断的なワーキンググループを通じた準備を行っており、国内外の動向や対応状況について経営陣に報告を行い、経営陣の関与の下で適切に対応する体制を整えております。

自己資本比率規制

当社及び国内銀行持株会社は連結自己資本比率を、国内グループ銀行は連結自己資本比率及び単体自己資本比率を4%以上に維持する必要があります。

当社並びに国内銀行持株会社及び国内グループ銀行の自己資本比率は、本「事業等のリスク」に記載する各種リスクの顕在化等を主な要因として低下する可能性があり、その場合は、資金調達コストの上昇などにより、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。仮に上記の自己資本比率が基準値の4%を下回った場合には、早期是正措置により、金融庁長官から業務の全部または一部停止等を含む様々な命令を受けることとなり、その結果、当グループの業務運営や業績、財務状況に著しい悪影響を及ぼす可能性があります。

当社では、業務の健全性及び適切性を確保し、質・量ともに十分な自己資本を維持するとともに、自己資本管理を有効に機能させることを目的として「グループ自己資本管理の基本方針」を制定し、当グループの直面するリスクに見合った十分な自己資本及び自己資本比率の確保に努めております。

日本銀行による「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」に伴うリスク

日本銀行による「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の継続により、国内の市場金利は極めて低い水準で推移する状況となっております。

今後、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の長期化やマイナス金利幅の拡大により金利が一段と低下した場合には、貸出金利回りや国債等の金融商品の投資利回りが低下することにより、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当グループでは、低金利水準への対応のため、業務運営面やシステム面における管理体制の整備を進めるとともに、金融仲介機能の発揮に引き続き努めております。

与信費用の増加
~中小企業貸出・国際ビジネス、個人向けローンビジネスに影響を及ぼすリスク~

当グループの与信ポートフォリオにおいては、中堅・中小企業向け貸出金や、住宅ローンを中心とした個人向け貸出金が大きな割合を占めており、与信の小口分散が図られております。

しかしながら、以下に記載している与信集中や景気動向、担保価格の下落、融資先の経営状況等によっては、想定の範囲を超える償却・引当を余儀なくされ、当グループの業績、財務状況及び自己資本の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当グループでは、貸出資産の劣化に対する予兆管理やリスク分散に向けた取り組みを進め、信用リスク管理体制の強化を図っております。また、不良債権については、正確な自己査定に基づき、十分な水準の財務上の手当てを行っております。

大口与信集中によるリスク

大口先に対する与信集中リスクについては、当グループの経営に対して重大な影響を及ぼす可能性があることを踏まえ、各グループ銀行等では、クレジットシーリング制度を定め、与信集中の防止を図っております。同制度では、各社がその体力に応じて金額上限を設定し、原則として、一取引先への与信額がこれを超過しない仕組みとしており、定期的に運用状況をモニタリングしております。

特定業種への与信集中リスク

特定の業種等に与信が集中することにより、景気や経済の構造的な変動等が生じた際、それら特定分野の業績や資産価格が影響を受け、当グループの不良債権や与信費用が増加する可能性があります。

こういった事態を未然に防止するため、各グループ銀行等において特定の業種の与信残高に一定の協議ポイントを設定する等により、業種集中リスクコントロールに努めております。

与信費用の主な増加要因

  • 融資先の業況悪化等
    融資先を取り巻く環境変化(景気の悪化、産業構造や消費者志向の変化、気候変動、人手不足、各種感染症の拡大等)により、信用状態が悪化する融資先が増加したり、貸出条件の変更や金融支援を求められたりすることなどにより、当グループの与信費用が増加する可能性があります。
  • 地域経済の悪化等
    当グループは東京都・埼玉県を主とした首都圏と大阪府を主とした関西圏を主要な営業基盤としており、これらの地域の経済状態が低迷した場合や、大規模な自然災害(震災、風水害等)、各種感染症等が発生した場合は、融資先の信用状態の悪化、不動産担保価値の下落等により、当グループの与信費用が増加する可能性があります。
  • 融資先等企業の存立を揺るがすガバナンスの欠如
    不正会計(粉飾決算)、融資書類の偽造や資金使途の偽装、建築施工不良、会社の私物化、商品の不適切販売等、企業のガバナンス欠如等に伴う問題が発生しております。これらにより、融資先の信頼性の著しい失墜あるいは企業の存立を揺るがす事態が生じた場合、当グループの与信費用が増加する可能性があります。

保有有価証券の評価損益悪化
~市場部門の運用・調達等に影響を及ぼすリスク~

市場業務に関するリスク

当グループでは、デリバティブ取引を含む相場変動を伴う金融商品を取扱うトレーディング業務や国債を中心とした円建債券、外国通貨建債券及び株式投資信託、公社債投資信託、不動産投資信託等への投資運用業務を行っております。

これらの業務は、市場金利、為替レート、株価、債券価格等の変動により悪影響を被る可能性があります。たとえば、国内外の市場金利が上昇した場合には当グループが保有する円建債券や外国通貨建債券をはじめとする債券ポートフォリオの価値が下落することによって想定以上の評価損や実現損失が発生し、当グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、投資対象商品に係る需給の悪化により市場流動性が急速に悪化した場合や裏付資産が大幅に劣化した場合には、保有する投資対象商品の価値が下落することによって想定以上の評価損や実現損失が発生し、当グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

市場金利の上昇、株価や為替レートの変動が生じるケースとしては、例えば日本銀行による「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の解除や修正観測、米国の金融政策の変更、要人の発言、地政学リスクの顕在化、大規模なシステム障害や自然災害、各種感染症の発生等が想定しえます。

これらのリスクに対応するため、当グループでは、経営体力に見合ったリスク限度や損失限度等を設定した上で当該限度等への接近時や抵触時の対応を定める等、厳格なリスク管理体制を整備し、適切なリスクコントロールを行っております。また、新規取扱商品の選定に際しては、当該商品のリスク特性を認識・把握し、リスク特性に応じた管理体制の構築に努めております。

  • 外国為替相場変動に伴うリスク

    当グループは、資産・負債の一部を外国通貨建で保有しており、外国為替相場の変動によって為替差損が発生した場合は、当グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

    これら外国通貨建資産・負債は、相互の相殺あるいは必要に応じた適切なヘッジによりリスクコントロールを行っております。

政策保有株式に伴うリスク

政策保有株式には、株式相場の価格変動や個社別の業績見通し等の影響等を受け、その時価が変動する価格変動リスクがあります。

政策保有株式の時価が下落した場合、評価損や減損が生じ、当グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当グループは、公的資金による資本増強以降、政策保有株式残高を圧縮し、価格変動リスクの低減に努めてまいりました。

引き続き、保有継続の是非については、中長期的な取引展望の実現可能性を含むリスク・リターンを検証、具体的には資本コストを加味した採算性や中長期的な信用リスク等の観点から、個別銘柄毎に検証し、判断してまいります。今後もお客さまとの丁寧な対話を通じて、削減に努めてまいります。

外貨資金調達の不安定化
~中小企業貸出・国際ビジネス、市場部門の運用・調達等に影響を及ぼすリスク~

資金調達・流動性に関するリスク

当グループは、お客さまからの預金や市場からの調達等により資金調達を行い、貸出金や有価証券の運用等を行っております。

今後、外部環境の変化(急激な景気の悪化、大規模な金融システム不安の発生等)や、当グループに対する評価の悪化(業績悪化等に伴う格下げ・株価下落、風評の発生等)が生じた場合には、預金の流出や市場調達金利の上昇などにより、想定を上回るコスト・損失が生じる、あるいは資金繰り運営に支障が生じる可能性があります。その結果、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

国内外の経済・金融情勢が大きく変化する中、当グループは、お客さまの海外進出や資金調達等を継続的に支援していくことが重要と考えております 。外貨については、国内での業務が主体である当グループにとっては資金調達手段が限定されていることから、外部環境や当グループの資金繰りの状況等を常時モニタリングしながら、外貨運用・調達のバランスを意識した厳格な管理を行うとともに、緊急時に利用可能な他の金融機関との外貨資金調達ファシリティを設定する等、外貨流動性リスクの低減に努めております。

  • 格付低下のリスク

    当社及び各グループ銀行等は、格付機関から格付を取得しております。

    格付の水準は、当グループから格付機関に提供する情報のほか、格付機関が独自に収集した情報に基づいて付与されているため、常に格付機関による見直しがなされる可能性があります。

    また、当社及び各グループ銀行等の格付は、本「事業等のリスク」に記載する様々な要因、その他日本国債の格付や日本の金融システム全体に対する評価等が単独または複合的に影響することによって低下する可能性があります。

    仮に格付が引き下げられた場合には、資金調達コストの上昇や必要な資金を市場から確保できず資金繰りが困難になる可能性があります。その結果、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

    当グループでは、収益力増強策や財務の健全性向上策等の諸施策に取り組み、格付の維持・向上に努めております。

システム系の重大インシデント発生による業務停止等
~ビジネス戦略全般に影響を及ぼすリスク~

当グループでは、預金、為替、融資などの業務を行う勘定系システムや営業支援、経営管理、リスク管理等を行う情報系システムなど様々なコンピュータシステムを使用しております。

これらのシステムがダウンまたは誤作動した場合等システムに不備が生じた場合やシステムが不正に使用された場合には、当グループの業務停止、お客さま情報の漏えい、インタ-ネットバンキングを通じたお客さま預金の不正送金・不正引出し、Webサイト及び各種データの改竄等の被害が生じ、業務の復旧に要するコスト、被害を受けたお客さまへの補償、システムセキュリティ強化にかかるコストの増大等により、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当グループは、システムに関する障害・不備、不正等により顕在化するリスクは経営基盤を揺るがしかねないリスクとなる可能性もあるとの認識のもと、システムに関する障害・不備防止対策、不正防止対策等のリスク管理の基準を定め適切な管理体制を整備するとともに、システム障害を想定したコンティンジェンシープランを整備することにより、これらシステムリスクの軽減に努めております。

サイバー攻撃

サイバー攻撃を起因としたセキュリティインシデントには、DoS・DDoS攻撃、マルウェア感染、標的型攻撃、Webサイト改竄、不正アクセスなどがあります。東京オリンピックが開催される場合、日本を標的としたサイバー攻撃は増加するおそれがあります。サイバー攻撃は年々巧妙化しており、継続的な対策を実施する必要があります。

当グループ(当グループが業務を委託している先を含みます)がサイバー攻撃を受けた場合、当グループの業務停止、お客さま情報の漏えい、インタ-ネットバンキングを通じたお客さま預金の不正送金・不正引出し、Webサイト及び各種データの改竄等の被害が生じ、業務の復旧に要するコスト、被害を受けたお客さまへの補償、システムセキュリティ強化にかかるコストの増大等により、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社では、サイバー攻撃への対応を経営の最重要課題の1つとして位置づけ、経営会議・取締役会等での議論・検証のもと、サイバー攻撃対策を推進しております。サイバー攻撃に備えて平時・有事の活動を行う専担部署 (Resona-CSIRT) を設置し、サイバー攻撃に関する情報収集・分析、手続・マニュアル整備を行うとともに、定期的な演習・訓練の実施、コンティンジェンシープランの見直しを実施しております。

法令違反・コンプライアンス違反による業務停止等
~ビジネス戦略全般に影響を及ぼすリスク~

当グループは、銀行法、会社法、金融商品取引法等の各種法令諸規則等に基づいて業務を行っております。

役員及び従業員が法令諸規則等を遵守しなかった場合や、役員及び従業員による不正行為等が行われた場合には、行政処分や罰則を受けたり、お客さまからの信頼を失墜したりすること等により当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当グループでは法令諸規則等を遵守すべく、役員及び従業員に対する法令等遵守の徹底や不正行為等の未然防止に向けた体制整備を行うとともに、研修の実施等により全社的なコンプライアンス意識の向上に努めております。

役員・従業員の不正・不祥事に伴うリスク

近年、人口減少や異業種参入等に伴う競争激化、営業現場のプレッシャー増加やガバナンス不全など理由は様々考えられますが、各種ハラスメント、不正会計(粉飾決算)、お客さま預金の着服、融資審査書類の偽造への関与、会社の資金使い込み・会社の私物化、取引業者等からの不適切な金銭受領、商品の不適切販売等、企業の役職員の不祥事等が報じられることが増えております。

役員・従業員の不正・不祥事が生じた場合には、お客さまへの補償や当社の信用失墜等により、当グループの業務運営、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当グループでは『りそなSTANDARD』という行動指針を定め、役職員に周知・徹底することで企業倫理の向上に努めるとともに、不正・不祥事の発生状況を定期的に把握し、リスクの所在及び原因・性質を総合的に分析することにより、その結果を再発防止策ならびにリスク軽減策の策定に活用しております。

マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策上の不備に係るリスク

マネー・ローンダリング・テロ資金供与の脅威や、国内法や海外規制などの枠組みは常に変化しており、各グループ銀行及び関連会社において管理態勢が不十分となった場合、更なる対策強化に伴う想定外のコストの発生、コルレス契約の解除による海外送金業務等の一部停止、制裁的課徴金の発生、当グループの風評悪化等により、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当グループは、公共性の高い金融機関として公平・公正な社会の維持に寄与するため、マネー・ローンダリング・テロ資金供与防止対策の強化を行い、安心して商品・サービスをご利用いただけるよう努めております。

情報漏えいに関するリスク

当グループは、お客さまの情報をはじめとした膨大な情報を取り扱っております。

しかしながら、人為的ミス、内部不正、外部犯罪等によりお客さまの情報等の重要な情報が漏えいした場合は、被害を受けたお客さまへの補償等が必要となったり、当グループの信用が低下・失墜することにより、業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、将来的にセキュリティ対策のためのコストが増加する可能性があります。

当グループは、情報管理に関する方針・規程等の策定、社員教育、システムセキュリティ対策等を行い、情報漏えいの防止に努めております。

個人情報の保護、利活用等に関するリスク

当グループは、お客さまからお預かりしている情報について適切な保護を図り、安心してお取引いただけるよう努めております。

法令違反等、個人情報の不適切な利活用を行った場合は、当グループの信用が低下・失墜することにより、業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

個人情報の利活用に関しては、個人情報保護法等の法令遵守に努め、法令等で認められている場合を除き、当社が公表している利用目的の範囲でのみ取扱うとともに、その利活用が個人情報の提供者に対し不利益とならないよう慎重に行うことに加え、社会通念や道徳的な見地から適切であるかを十分検討することとしております。

自然災害の発生による業務停止等
~ビジネス戦略全般に影響を及ぼすリスク~

当グループは、多くの店舗・システムセンター等の施設において業務を行っておりますが、これらの施設は、地震、風水害等の自然災害、停電、テロ等による被害を受け、業務が停止する可能性があります。また、各種感染症の流行により、当グループの業務を一部縮小したり、停止せざるを得なくなるなど業務運営に悪影響を及ぼす可能性があります。

当グループは、不測の事態に備えた業務継続に係るマニュアルを整備するとともに、マニュアルに基づき訓練等を実施しております。

気候変動が及ぼす財務影響

気候変動による財務影響は、最大の資産である貸出金にあらわれる可能性が高く、お客さまの機会とリスクが、貸出金を通じて当グループの機会とリスクにつながっていると認識しております。

複数の気候変動シナリオに基づく、当グループのポートフォリオ構成を踏まえた定性的な評価により、「移行リスク」「物理的リスク」とも、短期から長期※1において影響を受ける可能性を認識しております。

当グループの貸出金は、大部分を個人と中小企業のお客さま向けで占める構成となっております。リスクが分散されている一方、気候変動対応の重要性を数多くのお客さまにお伝えしていくことが重要となってまいります。

当グループは地球温暖化・気候変動への対応を、優先的に取り組むべき重点課題(マテリアリティ)に設定し、「2030年SDGs達成に向けたコミットメント」において、社会全体の環境負荷低減に積極的に取り組み、低炭素・循環型社会の実現を目指すことを宣言しております。

より多くのお客さまに気候変動対応の重要性を知っていただき、お取り組みを支援していくための指標・目標を、年度ごとにアクションプランとして設定し、お客さまとともにリスクを低減し、機会を拡大する取り組みを行っております。

なお当グループでは、石炭火力発電事業への新規融資は、災害時対応などの真にやむを得ない場合を除き行わないこと、MTR方式※2で行われる石炭採掘事業など、環境に重大な負の影響を及ぼすおそれのあるプロジェクトへの新規融資は行わないことなどを「融資業務における基本的な取組姿勢」にて表明しております。

  • ※1短期:5年程度、中期:15年程度、長期:35年程度
  • ※2山頂除去方式と呼ばれ、山の表面石炭層を採掘するため、森林伐採し土砂を河川等に廃棄する手法

トップリスク以外の重要なリスク

ビジネス戦略毎の固有リスク

資産・事業承継ビジネス、資産形成サポートビジネス

  • 信託業務に係る受託者責任リスク

    当グループがお客さまに提供する多様なソリューションの中には、年金運用で培った資産運用力や資産運用会社を傘下に抱える強みを活かした投資信託やファンドラップといったお客さまの資産形成をサポートする商品・サービスや、遺言信託や資産承継信託、自社株承継信託といったお客さまの円滑な資産・事業承継をサポートする商品・サービスがあります。これらのうち、信託業務の受託において、受託者として果たすべき忠実義務・善管注意義務等の責任の履行を怠ったことにより、現在及び将来においてその責任を問われる可能性や、委託者の信頼を失い、現在受託している、或いは今後受託を予定していた取引を失う可能性があります。

    このようなことがない様、信託業務に関する高い専門性を持つ人財の確保・育成とともに、コンプライアンス意識の向上に努めております。

個人向けローンビジネス

  • 一部の不動産関連業者等による法令違反行為・不正行為

    昨今、住宅やアパート・マンション等の不動産取得にかかるローンの申し込み手続きに関連して、金融機関へのお客さま紹介を行う一部の不動産関連業者等による、コンプライアンス意識の欠如などを背景とした、次のような法令違反行為・不正行為が取り沙汰されております。

  • 収入証明書(例:源泉徴収票、課税証明書など)の偽造・改ざん
  • 預金残高の水増し・改ざん
  • 他人の預金通帳の流用
  • 不動産の売買金額を水増しするなど、売買契約書の偽造・改ざん
  • 不動産投資目的の借入を住宅ローンとして虚偽申込

当グループでは、お客さまが法令違反行為・不正行為に巻き込まれることを防ぐため、更には、法令違反行為・不正行為による住宅ローンのリスク削減のため、このような行為に対して、法的措置を含めた厳格な対応を実施しております。

決済ビジネス

  • 加盟店向けサービス提供におけるリスク

    当グループでは、「りそなキャッシュレス・プラットフォーム」において、クレジットカード等のキャッシュレス決済を可能とする加盟店向けのサービスを提供しておりますが、悪質加盟店の是正・排除、クレジットカード番号の適切な管理、不正使用の防止のために必要な加盟店調査および調査結果に基づく必要な措置を行わなかった場合には、法令等に基づき行政処分等を受ける可能性があります。

    また、加盟店における利用者等の保護に欠ける行為、クレジットカード情報の漏えい、不正使用等が発生した場合には、当グループのレピュテーショナルリスクが顕在化し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

    当グループでは、こうしたリスクの低減に向け、加盟店契約時の厳正な審査、適切な加盟店調査・管理を行うために必要な社内体制の整備に努めております。

統合効果を発揮できないことに関するリスク

株式会社関西みらいフィナンシャルグループは当グループの銀行持株会社であり、これまで同社のもとで、2018年4月の株式会社関西アーバン銀行と株式会社近畿大阪銀行、株式会社みなと銀行の経営統合、2019年4月の株式会社関西アーバン銀行と株式会社近畿大阪銀行の合併、合併により誕生した株式会社関西みらい銀行における2019年10月の事務システム統合を実施してまいりました。

しかしながら、当グループにおける業務面での協調体制の強化や経営資源の相互活用が奏功せずシナジー効果が十分に発揮できない場合や、合併・統合に伴う経営インフラの整備・統合・再編等により想定外の追加費用が発生した場合など、当初期待した統合効果が十分に発揮できないことにより、当グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

統合効果発揮のため、引続き関西みらいフィナンシャルグループでの信託・不動産機能の活用、デジタルトランスフォーメーション戦略・差別化商品の展開、及びグループ情報ネットワークの活用等を進めていくとともに、グループベースで人的資源やチャネルの最適化に取り組んでまいります。

こうした取り組みによる効果の実現を一層確実なものとすることを目的のひとつとして、当社は、2021年4月に株式会社関西みらいフィナンシャルグループを完全子会社化いたしました。

外部委託等に関するリスク

当グループは、銀行業務を中心とした様々な業務の外部委託(外部委託先が再委託を行っている場合や外部委託先がサービスの提供を受けている場合を含みます)を行っております。

委託先(再委託先やサービスの提供を行っている先を含みます)が、システム障害の発生やサイバー攻撃を受けた場合等、委託業務遂行に支障をきたしたり、お客さまの情報等の重要な情報を漏えいした場合等には、当グループの業務運営にも支障をきたす可能性がある他、被害を受けたお客さまへの補償等が必要となったり、当グループの信用が低下・失墜することにより、業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当グループはこれらの悪影響を未然に防止するため、業務の外部委託を行うに際しては、業務委託を行うことの妥当性検証、委託先の適格性検証、委託先における情報管理体制の確認・検証、委託期間中の継続的な委託先管理、問題発生時の対応策策定等、体制整備に努めております。

金融犯罪の発生に伴うリスク

前述のマネー・ローンダリングやテロ資金供与に加え、振り込め詐欺等の特殊詐欺、不正利用口座開設、盗難通帳や偽造・盗難カードでの支払い、クレジットカードやインターネットバンキング、各種スマホアプリにおけるID・パスワード等の盗難やなりすまし、口座情報等の不正入手による決済サービス提供事業者を通じた銀行口座からの不正出金等の金融犯罪は、近年、ますます巧妙化・複雑化しております。

想定の範囲を超える大規模な金融犯罪が発生した場合は、その対策に伴うコストや被害を受けたお客さまへの補償等により、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当グループでは、本人確認や取引時確認の強化等により、マネー・ローンダリングやテロ資金供与の防止、不正利用口座開設防止、盗難通帳や偽造・盗難カードでの支払防止等に取り組んでまいりました。

偽造・盗難カード、インターネットバンキングサービス、りそなグループの各種アプリについては、セキュリティ対策強化等により、お客さまの大切な財産をお守りするよう努めております。

振り込め詐欺等の金融犯罪に対して、店頭・ATMコーナーでのお声かけやポスター、ウェブサイト、ATMの画面や音声等を通じたお客さまへの注意喚起を強化するとともに、警察と連携し、被害防止に取り組んでおります。また、反社会的勢力との取引に対しては、取引遮断に向けた取組みを推進しております。

役員・従業員の事務過誤に伴うリスク

当グループは、預金・為替・貸出・信託・証券等の幅広い業務を行っております。これらの業務は、役員及び従業員が正確な事務を怠る、あるいは事故等を起こすこと等の事務リスクに晒されております。

事務リスクを防止するために、業務プロセスや事務処理に関して、手続きの見直し・集中処理化・システム化を推進するとともに、教育・研修を継続的に行っております。

更に、事務過誤の発生状況を定期的に把握し、事務リスクの所在及び原因・性質を総合的に分析することにより、その結果を再発防止策ならびにリスク軽減策の策定に活用しております。

レピュテーショナルリスク

レピュテーショナルリスクとは、「マスコミ報道、評判・風説・風評等がきっかけとなり、損失を被るリスク」をいいます。レピュテーショナルリスクは、マスコミ報道、評判・風評、風説などを契機に顕在化し、各種リスクとの連鎖性を有しております。顕在化した場合には、信用の失墜、株価の下落、取引先の減少、ブランドの毀損等、予想を超えた不利益を被る可能性があり、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当グループでは、レピュテーショナルリスクを経営上の重要なリスクの一つと位置付け、適時適切な情報開示等により信頼の維持・向上を図り、リスク顕在化の未然防止に努めております。具体的には、インターネット上の風説やマスコミによる憶測記事等、各種媒体等の確認を通じてリスク顕在化事象の早期把握に努めております。また、当グループ各社ならびに従業員のソーシャルメディア利用によるレピュテーショナルリスク発現の未然防止のため、「ソーシャルメディアポリシー」を制定しております。

レピュテーショナルリスクが顕在化した際には、迅速かつ適切な対応により当グループのステークホルダー(株主、お客さま、社員等)の利益を守り、影響の拡大防止に努めることとしております。当グループの経営に影響を及ぼす可能性があり、危機の程度が高い場合には、速やかに危機管理体制へ移行いたします。

なお、対外的なお問合せおよび公表窓口については、情報を集約するため、りそなホールディングスに一元化し、関西みらいフィナンシャルグループと連携して行う体制としております。

重要な訴訟発生に伴うリスク

過去または今後の事業活動に関して当グループ各社に対し多額の損害賠償請求訴訟等を提起された場合など、その訴訟の帰趨によっては当グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社は、当グループ全体の訴訟について一元的に管理を行い、グループの法務リスクの極小化に努めております。

なお、現在、当グループには大口の損失や業務の制限等に繋がりかねない重要な訴訟はありません。